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有史以来、人はカビのもつ作用を利用した食品をつくりだして、うまく共存してきました。しかし、カビは私たちの生活を損なう面ももっています。カビの被害は住まいだけでなく、身体にも及んで病気を引き起こすこともあると言われています。
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カビによる健康被害は(1)アレルゲンとしてのカビによるアレルギー疾患(2)感染病原微生物としてのカビの感染症 (3)毒素産生微生物としての中毒性疾患があります。
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(1)アレルギー性疾患 |
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カビによる代表的なアレルギー疾患としては、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎等があります。中でもアレルギー性呼吸器疾患事例が多いが、カビが原因と証明するのは容易ではありません。カビが原因になる多くの過敏性肺炎が知られています。農夫肺、加湿器病、夏型過敏性肺炎等が知られています。アトピー性皮膚炎とカビとの関わりも指摘されています。アルテナリアというカビは、胞子が大きいため鼻孔内に捕捉されやすく、アレルギー性鼻炎の原因となります。花粉やダニも原因となります。
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(2)感染症 |
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カビが病原微生物として人体組織内に寄生、侵入して炎症性の疾患を起こす場合があり、カビ感染症といわれます。カビ感染症には浅在性真菌感染と深在性真菌感染があります。
水虫(白癬症)やカンジダ爪囲炎など皮膚科で扱われる皮膚真菌症は浅在性であり、内科で扱われる内因性感染症(カンジダ症、放線菌症、ゲオトリクム症)、外因性感染症(アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ムコール症、ペニシリウム症等)は深在性です。深在性真菌症は、がんや膠原病など免疫機能が低下した場合に起こりやすくなります。
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(3)カビ中毒症(真菌中毒症) |
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カビが産生するマイコトキシン(真菌毒素)が原因です。黄変米やトウモロコシ、ピーナッツに増殖したアスペルギルス属が産生するアフラトキシンは肝がんの発がん性があります。
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B-2)「カビの科学」 |
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